15年間におよぶことになるヨーロッパ滞在へ向かう直前の1962年8月、威風堂々たるデクスター・ゴードンはブルーノート・レーベルのために2枚のレコードを吹きこんだ。それがこの名作と、その2日後に録音された『A Swingin’ Affair』だ。広く知られているとおり、本作はゴードン自らが最高傑作と認めている。(その理由が知りたければ)答えはいたって簡単だ。ゆるぎない確信とバランス感覚にあふれたゴードンは、おいそれとは真似できない優美な切れ味をこめて、優しく雄大なサックスの音を響かせているのだ。
矢継ぎばやに交えるユーモアは、曲にぴったりはまっているように聞こえる。ビートの効いた音楽のバックで奏でるときはいつも物悲しげだが、決して曲に乗り遅れたりはしない。とてつもない音色を響かせながらも、曲そのものやリスナーを圧倒することは決してない。それに、どんなテンポでも急がない。選曲はいつもどおり型破りで、大きくて愛らしい熊のようなたくましい胸のそばにいだいているのは知られざるバラードだ。優雅でファンキーなピアニストのソニー・クラーク、ブッチ・ウォーレン、ビリー・ヒギンズというリズムセクション陣とは、おたがいの持ち味を殺しあうことなく生かしあっている。(Marc Greilsamer, Amazon.com)

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Dexter Gordon considered this his finest album and few would disagree. With the perfect rhythm section of Sonny Clark, Butch Warren and Billy Higgins, this tenor giant reinvents standards like “Three O’Clock In The Morning,” “Second Balcony Jump” and “Guess I’ll Hang My Tears Out To Dry” and introduces his most famous composition “Cheese Cake.”